2015年7月19日日曜日

悲しい親子。『赤い指』 (by東野圭吾) 感想

題名だけ見て明らかにホラーだと思って敬遠していたのですが、東野圭吾さんが作者だったのでホラーじゃないのか、と思って読んでみました。
赤い指 (講談社文庫)
ホラーではありませんが暗い話。
加賀恭一郎シリーズのうちの一つのようで加賀さんが登場していました。


ある日主人公が妻からの電話で急かされて家に帰ってみると、庭先には少女の死体が。
一人息子の が家に連れ込んだ挙句に殺した少女だったのです。

警察に電話しようとする主人公ですが、その妻は電話するなら自殺すると言って脅し、2人は息子の罪を隠ぺいすることにします。

それを見ている主人公の母親であるお婆さんは痴呆で起きていることを全く理解していない様子。

そして調査をしに主人公の家にも警察がやってきますが…。


最後のオチに驚きました。完全に騙されていました。びっくり。

子供を思う親の気持ちってもちろん大切な事だとは思いますが、悪いことをした子供を叱らなかったり挙句に犯罪を隠したりするのは、、間違った愛情です。

それを分かりつつ子供を庇おうとする親が痛々しい。
そして可愛そうな老婆…。

どうにも後味が悪いお話で、良かったのは最後のどんでん返しのみ。

息子は最後まで親が悪いと言っていましたし。なんだかあり得そうで恐ろしかった。後味の悪い話が好きな方におすすめ。(いるのか?そんな人。)