何年かに渡り暗躍する首折り男。
彼に殺された人に関係性はないがいつも首を折られて殺されている。
そんな彼にまつわる幾つかの短編集。
一貫して首折り男の話なのかと思ったら関係ない話が挟まったり、かと思ったらやっぱり首折り男が関係していたり。そして時間がばらばらなので前後関係がよく分からなかったり。
それがまた面白いです。
首折り男は今の時間と過去の時間が繋がることがあると信じています。
彼は昔キャッチボールをする約束をとある大人としたのに、その人が約束を守らなかったことをずっと覚えているのですが、ある日その大人にあって…。
一方、一人の小説家が出てきて彼はクワガタを飼育しています。二匹以上一緒に飼育すると戦い始めるクワガタをなんとか二匹以上一緒に飼おうと色々試す小説家。
しかし必ずクワガタは喧嘩を始めます。彼は片方をあまりにいじめているクワガタを箱から取り出してデコピンをし、言います。
「神様もこんな感じなのかもしれない。見ているときは助けてくれて、悪いやつに罰を与えたりする。でも見ていないこともある。」
この世界の神様はいつも世界中を見守っていると私は思っていますが、この本に出てくる神様みたいであってもいつかはきっと悪者がやっつけられます。
なのできっと今日も、神様にデコピンされないように生きていきましょう。
ネタバレ
棋士に注目。他にもそういう伏線があるのかな?偶然見つけてビックリ。
首折り男が突然死んでいたのには驚きました。本を読み終えて考えてみるともしかしてあの男の人がキャッチボールの約束を守った結果ではないのかな…と思ったり。
そして死んだ首折り男の横で流れていたピアノの曲の意味が分かったときは悲しくなりました。
偶然のような奇跡のような話の積み重ねで、不思議な話でした。