2015年6月7日日曜日

著:横山秀夫 『64(ロクヨン)』 感想

県警の広報官の話。
64(ロクヨン)
高校生の娘が家出して行方不明になってしまった県警の広報官とかつて婦警だったその妻。
14年前に起きた誘拐事件64(通称ロクヨン)。犯人を見つけられなかった県警。娘を誘拐され妻にも先立たれた男。誘拐事件を解決できなかったことを悔やむ元警察官。何かを隠そうとしている県警の同僚。高圧的な上司。ネタをよこせと騒ぐ記者たち。

大抵警察の話とすると刑事の話が一般的だと思いますが(この本を読むまで考えたこと無かったけれど)、この本の主人公は広報官。つまり捜査の進歩状況などをマスコミに発表する仕事です。


最初は刑事の仕事に戻りたい一心で、広報官の仕事をこなしていた三上ですが、高校生の一人娘が家出してからはあまり仕事に身が入らなくなりました。

その弱みにつけこむ上司に頭を下げ、業務をこなす三上。

そんなある日警視庁長官が県警の視察にやってくることになりました。長官は46事件の被害者の父親の家に行き会見を行うつもりで、そのために被害者の父の了承を得るよう三上は命じられます。

しかし三上は長官の視察を被害者の父には拒否され、さらに警察学校の同級生でキャリア組の二渡が64事件について県警内で調べて回っていることを知ります。

三上は46事件に隠された秘密を追いますが…。

主人公が強面で奥さんがミス県警に選ばれたような美人で、父親似の娘あゆみは醜形恐怖症でっていう設定が面白かったです。ただグレて家出しただけでも成り立ちそうなのに…。

こういう最後に綺麗にまとまる話は読んでいてすっきりするので好きです。
最後の主人公の心境もかっこよかったです。
調べてみると64、ドラマ化されていてさらに映画化もされるそうですね!しかも前後二部で。


主人公が佐藤浩市はピッタリ!と思いましたが原作で「鬼瓦」とも揶揄されるにはちょっとかっこ良すぎるかな。秋山と三雲以外のキャストは結構イメージ通りですごいです。期待できるかも。