6話はなんとも言えなかった。
私の親の気持ちが少し分かった気がして泣いた。
好奇心旺盛で何をやっても長続きしない篤蔵が長続きしていた職場を追い出され、大衆食堂の小僧として働き始める。
妻が流産しても中々帰って来ず、辛抱強い妻もとうとう篤蔵と離縁することになる。
ヤケになった篤蔵はパリに行くために金が欲しいと父親に頼むが父親はそれを突っぱねる。
「どこにいてもできるやつはできる、できないやつはできない。」
と芸子に言われて食堂で頑張り始める篤蔵。
ある日篤蔵の働いているところに篤蔵の母親がやってくる。
病気の兄が自分が相続するはずの土地を売って、篤蔵がパリへ行くためのお金を工面するよう父親に掛け合ってくれたのだった。
母親が「あんたは幸せな子やねぇ。幸せな分だけぇ、余計励まんといかんね。」と言って、篤蔵が泣きながら何度もうなずくシーンは本当に感動した。
朝から晩まで仕事して一時は仕事を掛け持ちまでしていた篤蔵と、朝から晩までネットをして、アニメ鑑賞しながらcandy crushをしている私を比べるのはおこがましいし、私のお母さんも篤蔵の母ほどできた人ではない。
でも、フラフラしてばかりの子供がようやく道を定めようとするのを見守る気持ちはどちらの母親にも共通しているのかな、と思った。
そもそもこのドラマを私に勧めてきたのは私の母なのだけれども、母は6話をどんな気持ちで見たんだろう。
私もいつか篤蔵みたいになにかに一心に打ち込むことを、まともな人間になることを少しは期待したんじゃないのかな。
悲しい。罪悪感がある。
私は篤蔵と違う。
腐るほど怠惰だ。
あんなに一つのことに打ち込んだりしていない。
でも、他の人から気遣ってもらって両親の優しさのお陰でここにいる。
去年の7月B1を取った。
それから一年経ってB2を取った。
気付くともう一年が経とうとしているのに私のドイツ語はほとんど上達していない。
相変わらず聞き取りに自信はないし知らない単語だらけだ。
B2も受かったものの、結果がとても良いわけではなかった。
この一年、何もしてこなかった。
親に申し訳ない。
自分が恥ずかしい。
私に仕送りするために親が働いていた間、私はただ時間を浪費していた。
去年一年、勉強した記憶が本当にない。
ひたすら変わらないと、という思いと、やっぱり面倒くさいという思いがせめぎ合って自分のクズっぷりがどうしようもない。
でもやっぱり変わりたい。
天皇の料理番の最終回は良かった。
天皇の料理番という立場になっても篤蔵は周りへの感謝を忘れず、謙遜だった。
そして常に一生懸命だった。
最後は癇癪持ちなのまで治していた。本当にすごい。
人間、頑張れば変わる。
私も、変わります。
励みます。