この自然界に存在しない花に人はどうして惹かれるんでしょう。
ところで黄色いアサガオが江戸時代には普通にあって、文献にも残っているという事をどこかで見聞きしたことのある方は多いのではないでしょうか。
文化14年 (1817)出版「あさかほ叢」(左)、嘉永6年(1853)の「朝顔花併」(右) (by 国立国会図書館デジタルコレクション) |
そしてトキみたいに鉄砲で撃たれて絶滅してしまうならまだしも、栽培されていたものが絶滅するなんてありえるのか…という疑問が起こります。
その疑問に答えたのがこの小説、『夢幻花』。
もちろんフィクションですが、案外これが黄色いアサガオが絶滅した理由だったりして、と思えるほどリアリティがありました。
色々な人が出てきてちょっとややこしいので、
http://www.php.co.jp/mugenbana/
こちらの人物相関図を見ながら読み進めていくと分かりやすいかも。
Picture by PHPインターフェース |
度々祖父のもとを訪れていた梨乃はある日祖父が自宅で亡くなっているのを発見する。花好きの祖父が育てる花を紹介するブログをしていた梨乃だが、亡くなった祖父の自宅からとある花が無くなっていることに気付く。
その花の存在については伏せておくようにと祖父から言われていた梨乃だがその花が気になりブログに写真をアップする。
そしてそれを見つけた警察官、蒲生要介はその花の記事をすぐに消すようにと梨乃に言うがその理由は教えてくれない。
梨乃は要介の弟、蒲生蒼太と協力して祖父の死の真相、祖父の持っていた謎の花の秘密を追いかける。
…梨乃と蒼太ってどうやって出会ったんだっけ…?
東野圭吾さんの話って結構「家族の秘密」が鍵な場合が多いですね。
ちょっとややこしかったのもあり、他の本ほど面白い感じはなかったけれど考えさせられる小説でした。
ちなみに才能の無さに悩んでいる人に特におすすめです。
頑張ろう、と思いました…。
さっき調べてみたらなんと、黄色いアサガオの開発が2014年に成功していたらしい!
Picture by 基礎生物学研究所 |
種、食べてみたら何か起こったりして…なーんてね。
道端に水色のアサガオと並んで咲いていたらなんとも思わないのに、珍しいものだと思うとなんだかすごい花のような気がします。
もちろん黄色いアサガオを開発した技術はすごいものなんでしょうけれども…。