2015年3月3日火曜日

罪を犯して降り掛かってくるあらゆること。『手紙』 東野圭吾著

川崎で中学1年生の男の子が亡くなったというニュースを見て、かわいそうに…と思っていたときに偶然この本を手に取りました。

罪を犯したときに償うのは本人だけではないし、償うのは服役することだけではありません。


『手紙』のあらすじはこんな感じです。-----

弟の大学進学の費用を手に入れようとして押し入った家で、兄は居合わせたおばあさんを殺してしまう。兄はすぐに逮捕されて懲役30年の刑が言い渡される。

最初は自分のために捕まった兄を可哀想に思う弟だったが、世間からは『強盗殺人犯の弟』というレッテルを貼られて冷遇される。

そんなことも知らずに兄は弟に毎月手紙を欠かさずに送る。
しかし兄の噂のために引っ越ししなくてはならなくなった弟は、兄にあてて一通の手紙を書く…。

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弟は世間から冷遇され色々なものを諦めます。
そして弟が受けるこの苦しみこそが兄に対する処罰の一部でもあります。


ネットを見ていると川崎の事件の犯人(とされている人)の顔写真が出回っているだけでなく、その家族の写真や自宅の周辺を撮影した動画まで出回っています。

彼が犯人なのかどうか現時点では分からないけれど、家族にまで迷惑を掛ける事態になると分かっていたらあのような事件を起こしたりはしなかったのではないでしょうか。

『手紙』を読んだせいなのでなおさら、家族の情報までネットで拡散するのはどうかな?とも思いますが、逆に犯罪の抑止力になるかもしれません。


ネットで犯人(らしき少年)の家族の顔写真を拡散してる人、犯罪を犯してしまいそうな人。
ぜひ一度『手紙』を読んでもらいたいです。